こういった希望のある店舗向けに、今回は、POSレジでクレジットカード決済に対応するやり方を紹介します。
具体的な手順や、費用、カード決済手数料も数字を示しながら解説していきます。また、クレジットカード決済のメリットや売上アップにつなげる方法もまとめました。ぜひご覧ください。
POSレジでクレジットカード決済に対応するやり方
POSレジでクレジットカード決済に対応するやり方は、次の4ステップです。
- クレジットカード決済代行業者と契約する
- クレジットカード決済機器を設置する
- POSレジとクレジットカード決済機器を連携させる
- クレジットカード決済開始!
ステップ1:クレジットカード決済代行業者と契約する
クレジットカード決済に対応するためには、まず、クレジットカード決済代行業者と契約します。
クレジットカード決済代行業者は、VisaやMastercard、JCBなどの大元のカード会社と実際にクレジットカード決済をするお店を仲介する会社です。
クレジットカード決済代行業者との契約には、一定の審査(カード決済を悪用しないか、一定以上利用してもらえるか等)があります。カードのブランドによっては、審査に時間がかかるため、最低1ヶ月くらいの時間は見込んでおきましょう。
クレジットカード決済代行業者は多く存在し、業者によって利用料金や手数料、提供機器に違いがあります。記事後半にて、メジャーなクレジットカード決済代行業者ごとに、詳しく解説します。
なお、この決済代行会社を通さずに、VisaやMastercardなどの大元のカード会社と直接契約することは、よほど大企業でない限りできません。
ステップ2:クレジットカード決済機器を設置する
クレジットカード決済代行業者と契約すると、クレジットカード決済に必要な機器が届きます。
一般的なクレジットカード決済機器として、日本ではCAT/CCTという規格の機器が普及しています。一度はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
最近では、もっとコンパクトな機器やデザイン性に優れた機器を提供している業者もあります。たとえば、リクルートのエアペイでは、次のような機器が提供されます。
これだと、Visaタッチや交通系ICでの決済にも対応していますね。
ステップ3:POSレジとクレジットカード決済機器を連携させる
クレジットカード決済機器を設置したら、POSレジと連携させます。多くのPOSレジにはなんらかの接続機能があり、それを用いてPOSレジとクレジットカード決済機器を連動させることができます。
最近注目されているiPadで使えるクラウド型POSレジでは、対応している決済代行業者が決まっていることがあります。
既にあるPOSレジにクレジットカード決済機能を追加したい場合には、あらかじめ対応業者を確認しなければなりません。
ちなみに、クレジットカード決済機器をPOSレジと連携させずに使えることもあります。しかし、支払金額の二重入力が必要であったり、レシートが増えてしまったりと、デメリットが伴います。POSレジをお使いであれば、クレジットカード決済機器と連携させるのが便利です。
ステップ4:クレジットカード決済開始(操作の練習も可能)
ここまでで、POSレジでクレジットカード決済をするやり方の大半は終わりました。後は、実際に決済をするだけです。
POSレジやクレジットカード決済機器によっては、決済の流れを練習するトレーニングモードが備わっています。営業時間外など、実際に決済する前に、操作方法を確認しておくと慌てずスムーズに決済できるはずです。
ここまで、POSレジでクレジットカード決済に対応するやり方でした。
クレジットカード決済代行業者とその手数料
やり方のステップ1で解説した通り、クレジットカード決済の対応には、クレジットカード決済代行業者との契約が必要になってきます。そこで、メジャーなクレジットカード決済代行業者とその特徴、決済手数料を紹介します。
初期費用0円、維持費用0円で導入できるクレジットカード決済代行業者も紹介しますので、ぜひ確認してみてください。
クレジットカード決済代行業者
一番身近に感じられて導入しやすいのは、リクルートのAirPAYでしょう。
導入費用も維持費用も0円となっており、お店側の負担は決済手数料のみです。また、クレジットカード決済だけでなく、交通系ICやQRコード決済など豊富な決済方法に対応しています、
他のものだとstera packはかなりよく見かけるサービスです。月額3,300円の有料プランであれば、決済手数料が2.80%〜と他社よりもかなり安くなっています。
もっと多くの業者を知りたいという場合は、比較サイトを利用して一括で見積もりを取るのが手っ取り早く、確実です。
クレジットカード決済手数料は3.24%〜が一般的
クレジットカード決済には、所定の決済手数料がかかります。サービスにより違いがありますが、
となっており、目安としては3.24%〜となります。
stera packは有料プランだと決済手数料2.80%〜ですが、目安として月に70万円程度クレジットカード決済されないと、他と比べて、最終的な負担額があまり変わりません。
POSレジでクレジットカード決済するメリット
POSレジでクレジットカード決済するメリットは、次の3つです。
複雑な操作なく、クレジットカード決済できる
POSレジでクレジットカード決済を行う際は、POSレジの画面で支払い方法として「クレジットカード決済」を選ぶだけです。
カードを機器に差し込む・暗証番号を打ってもらうなど現金会計との違いはありますが、会計の主な流れは現金会計と全く同じです。
クレジットカード決済だからといって、複雑な機器操作が必要ないため、すぐに操作に慣れることができます。
一方で、POSレジを使わず、もしくはPOSレジと連携せず、クレジットカード決済を行う場合は、操作が面倒です。支払い金額を決済端末へ手入力しなければならず、間違いやトラブルの原因にもなりえます。
売上アップにつながる
必ずしもすべてのお客さんが、十分な現金を持ち歩いているとは限りません。クレジットカード決済がない場合、十分な現金を持ち合わせないお客様に、高額な商品を買っていただくことができません。
しかし、クレジットカード決済に対応すれば、お客様が高額な商品を買うハードルが低くなり、従来よりも買ってもらいやすくなります。
もちろんそのためには、クレジットカード決済が使えることが分かるようなシールや表示をすることが大切です。
支払い方法別の売上分析ができる
POSレジと連携してクレジットカード決済を行うことで、支払い方法別の売上分析ができるようになります。
POSレジとクレジットカード決済端末を独立させた場合は、そのような分析が困難ですが、連携していれば難しい作業なしにそうした分析ができます。
クレジットカードが使われやすい商品、使われにくい商品などを分析することで、新しく分かることもあるでしょう。
POSレジとクレジットカード決済で売上げアップする方法
最後に、POSレジとクレジットカード決済を駆使して、売上アップする方法を紹介します。
クレジットカード決済を導入する背景として「店舗の売上を増やしたい」と考えておられる方は多いはずです。
クレジットカード決済手数料に注意
既に解説したとおり、クレジットカード決済は決済ごとに3.24%程度の決済手数料が発生します。
このため、利益が出づらい商品をクレジットカード決済されたり、売上が増えないままクレジットカード決済額が増えると、結果的にお店の利益が小さくなってしまします。
そうならないためには、クレジットカード決済の手数料に注意することが必要です。あらかじめクレジットカード決済を導入することで、売上がアップしそうな商品やあまりクレジットカード決済されたくない商品などをまとめておき、売上や利益をシミュレーションしてみるのも良いでしょう。
POSレジの支払い方法別の売上分析を活用
POSレジでクレジットカード決済をすると、売上データには支払い方法も蓄積されていきます。支払い方法別に売り上げを分析するのもPOSレジの有効的な活用です。
場合によっては「3000円以上の商品のみクレジットカード決済可能」などの制限を設けても良いかもしれません。
ただし、金額によって制限を設けて良いかどうかは、決済代行業者との契約によります。ご注意ください。
今回は、POSレジでクレジットカード決済をするやり方をご紹介しました。クレジットカード決済以外のキャッシュレス決済とPOSレジの連携については、こちらの記事で解説しました。
POSレジとクレジットカード決済を組み合わせて初めてできることも多くあります。それぞれの店舗のニーズに合わせて、最適な形での導入を検討してみてください。